映画「ワンダー 君は太陽」感想

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監督:スティーヴン・チョボスキー 
出演:ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイ他 
ジャンル:ドラマ 
2017年

ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイの作品「ワンダー 君は太陽」の感想まとめました。

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感想

がんばる力をくれる作品

泣ける物語でした。
オギーも、もちろん彼の両親も、誰も悪くなんてない。
ただ疾患を持って生まれてしまっただけ。
なのにオギーにとって、人生はとてもつらいものになってしまった。

当事者であるオギーはもちろんのこと、それは両親にとっても辛いことだったと思います。
それでもがんばるオギーの姿に心が揺さぶられました。
涙が溢れました。

また最初からただ強い訳じゃないことも、とても共感を持てました。
どうして醜いの?」と傷つき、悩み、涙する姿。
それがあったからこそ、ただすごい子なのではなく、彼は心の強さで乗り越えたことが伝わったから。

諦めなかった母の強さと愛

息子が学校に通うことを案じていた父。
母が登校を決意した時、そのことに父は反対していました。
私のイメージでは、母の方が過保護になりがちなんじゃないかと思っていたので、この夫婦のやり取りに、大変驚かされました。

父が仕事で家にいない時間、母はオギーと過ごしていました。
自宅学習も、母が先生となり、息子に教えていました。
自分も仕事があるのに、それを彼のために休み、すべての時間を息子に捧げていた母。
そしてその愛情は、ただ温かいところで守るのではなく、彼が一人でも強く生きていく術を学ばせたいという大きなものだったのです。

ずっと家で学ばせるという選択肢もあったと思います。
本人も学校に行きたがっていた訳ではない。
寧ろ望んでいなかったのに。
それでも母は彼に広い世界を知って欲しいと、外へ出したのです。
その愛情がとても素敵だと思いました。

強さと優しさを兼ね備えた母は、実際に登校したことで息子が傷ついても、「もう学校に行かなくてもいい」とは言いません。
ちゃんと彼は信じていたから。
オギーの強さも、素晴らしさも、母が一番知っていたから。
信じていたから。

そしてその信頼にしっかりと応えたオギーは、本当に素晴らしいと思いました。

弟だけでなく姉のことも

今回の作品の中心になるのはオギーだと思うのです。
それでも、この作品ではそこだけに留まらなかったところが、とても好ましく思いました。
オギーの疾患のことで、姉がどんな幼少期を送って来たのか。
そしてその結果、世界一手のかからない子供になったこと。
そのことが彼女にどんな寂しさを与えていたのか?ということも描いてくれているところが、とても好きです。

そしてそんな彼女に、祖母という理解者がいたことが、とてもうれしく思えました。
みんながオギーを一番に考える。
そのことに対し、ヴィアは不満を持っている訳ではなかった。
両親も大変なんだろうと理解していた。
だからこそ、そんな姉を祖母は誰より一番に考えてくれたのです。

そんな祖母を失ったことや、祖母と同じく彼女の理解者であった親友との話も、とても良かったです。

誰か一人だけでない、何も疾患を持たない周りの人々にも、それぞれに事情がある。
大なり小なり大変な問題を抱えている。
そしてみんながそれを乗り越える力があることを描いてくれていたように思います。

太陽に照らされて変わっていく人々

オギーという太陽の頑張りを中心に、みながそれぞれの問題を乗り越えて行く。
彼に対する偏見を捨てていく。
そうして彼を取り囲む世界は、輝き出す。
そんな様子を素敵な描いてくれていました。

特に好きなのは、ラストの表彰のシーン。
彼が受賞したことだけでなく、そのことをみんなが自分のことのように喜んだこと。
彼ももちろん素晴らしくて、それを支える周りのみんなも素晴らしい。
助け合って、支え合っていく人々の強さと温かさを感じました。

そしてジュリアンにかけた校長先生の言葉。
彼は自分の容姿を変えることは出来ない。変えるべきは彼を見る我々の目なのです
この言葉がとても心に響きました。

自分の生きる世界の中、変えられないものはたくさんあると思います。
私だけでなく、これを読んでくれているあなたの世界にも。
そんな時、どうしても変えられないものを変えたいと望んでしまう。
そして変えられないことに嘆いてしまう。

でも自分自身なら変えることが出来るんですよね。
それに対する自分の見方や考え方を変えることで、世界はきっと違って見えてくる
そんな風に感じることが出来る、とても心に残る言葉でした。

この作品のネタバレ(あらすじ)

この作品のネタバレ(あらすじ)は別な記事にまとめました。
   ⇒「ワンダー 君は太陽」ネタバレ(あらすじ)

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