映画「ワンダー 君は太陽」ネタバレ(あらすじ)

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監督:スティーヴン・チョボスキー 
出演:ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイ他 
ジャンル:ドラマ 
2017年

ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイの作品「ワンダー 君は太陽」のネタバレ(あらすじ)をまとめました。

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ネタバレ(あらすじ)

ペスト菌扱いされて、誰も僕に近づかない。
どうして僕は醜いの?

遺伝子による疾患

オギーの家は宇宙みたいだ。
son(サン/息子)を中心に回っているから。

その中心の息子オギーには、生まれつきの疾患がある。
顔の造形に問題があり、息がし辛かったり、耳が聞こえにくかったり、食事がし辛かったり。
幼い頃から27回もの手術を繰り返し、随分生活も楽になった。
けれどそれは機能面の話。
見た目の問題は残っている。

顔を手術したのだ、27回も。
沢山の傷がそこに残ってしまうのは仕方のない事。
けれどそれが彼を苦しめる。
人に会う事を苦手にさせた。
だから彼は自宅学習をし、学校に通わず過ごしていた。

時折外に出る事もあるが、いつも宇宙服のヘルメットを被っていた。
自転車だってそれで乗るのだ。
きっと鎧だったのだろう。
自分を守ってくれる大切な鎧。

しかしそんな彼にも成長の時が訪れた。
母が学校に行かせる事を決意したのだ。
母の決断に父は反対していた。
まだ早いんじゃないか?と。
それでもずっと家の中で親に守られて過ごす訳にはいかない。
それに何より母は知っていたのだ。
オギーの魅力を誰よりも。
その魅力を知れば、誰もがオギーを好きになると。

初めての友達

五年生として学校に通い始める前に、母と共に学校へ行った。
校長先生と話をし、学校を見学するためだ。
その時、彼が早く学校になじめるようにと、校長先生は三人の生徒を呼んでおいてくれた。

でも彼は子供が苦手だ。
顔にすぐ好奇心が出るからだ。
だから子供は誰に会っても、みな最初は同じ顔を見せる。

そんな微妙な初対面を経て、その三人の中から彼の初めての友人が生まれた。
ジャック・ウィルだ。

最初こそ、皆にペスト菌扱いされて避けられたり、意地悪を言われたり。
ランチの時に一人ぼっちだったりと辛い事ばかりだった。
どうして僕は醜いの?」と母に泣きついた事もあった。
けれどそれを乗り越え、理科の小テストに困っていたジャックを助けた事をキッカケに、二人は友となったのだ。

家にも遊びに来てくれた。
ランチも一緒だ。
もう一人で俯いて過ごさなくても良くなったのだ。

楽しんでいたのは彼だけじゃない。
ジャックだって、最初は母に頼まれたからだったが、オギーと過ごす事がいつしか本当に楽しくなっていたのだ。
親友になりたいと思ったし、五年生全員を並べて誰と過ごしたいか選べと言われたら、間違いなくオギーを選ぶ自信だってあった。

なのにハロウィンの日のジャックの一言が、二人の関係を壊してしまう事に。

壊れた友情

オギーはハロウィンが大好きだ。
仮装をしてマスクを被ってしまえば、自分の顔を見られなくて済むからだ。
普段はみんな彼をペスト菌扱いして誰も触ろうとしないのに、仮装してしまえば気軽にハイタッチをして来るから。
そんな一年で一番大好きな日。
なんの仮装をするか、嬉しくて事前にジャックにも話していた。

所が、彼の予定していた仮装の衣装に愛犬が吐いてしまって、去年と同じ仮装をする事になったのだ。
ガッカリしつつも、大好きなハロウィンに元気に登校したオギー。
道中は色んな生徒とハイタッチを繰り返し、乗っけからハロウィンを満喫していた。
けれどそれも教室に着くまでの事だった。
彼が教室に着くと、生徒たちが彼の悪口を言っていたのだ。
しかもその輪の中には、ジャックも居て「あんな顔だったら自殺してるよ」と一緒に悪口を言っていたのだ。

ショックだった。
せっかく学校を楽しめるようになったのに。
友達だと思っていたのに。
校長先生に頼まれたからつるんでるだけだ…とも言われてしまったから。
そうして彼はまた一人ぼっち。
振り出しに戻ってしまったのだ。

オギーの友情が壊れた頃、姉のヴィアも同じ経験をしていた。
幼い頃から仲良しだったミランダの態度が豹変したのだ。

どうしてもオギーが中心となってしまう彼女の家。
そんな中、彼女は世界一手のかからない子供だと親に褒められていた。
本当は違っただろう。
でも彼女は知っていたから。
オギーのことで両親は手一杯だから、自分に割く時間などないと。

そんな彼女を誰より案じて愛してくれたのが祖母だった。
誰もがオギーを一番にしてしまう中、祖母だけはヴィアを一番に思ってくれていたのだ。
けれどそんな祖母も亡くなり、彼女の理解者は幼い頃からの親友のミランダ一人となった。
なのにそのミランダが、突然彼女に背を向けたのだ。

それぞれの事情

ジャックは上辺だけでオギーと付き合っていた訳ではなかった。
本当に彼が大好きだった。
それでもクラスの中心人物に睨まれたくもなかったのだろう。
だからオギーが居ないと思い、ひどい事を言ってしまった。
心にもない事だった。

ジャックはオギーの事で、いくつかの事を学んだ。
まずは顔。
最初はびっくりしたものの、すぐに慣れるという事に気付いた。
次に彼の頭の良さを知った。
なんでもジャックよりも出来たし、理科に関しては学年で一番だ。
そしてオギーはとても面白いと言う事を知った。

だから大好きになったのに。
ハロウィンの日にオギーが早退して以来、ジャックと全く口をきいてくれなくなったのだ。
ジャックには訳がわからなかった。
あの日教室の入り口で話を聞いていたゴーストフェイスが、オギーだと知らなかったから。

一方ミランダも辛い思いをしていた。
母と離婚した父が、元上司と再婚。
その事で一緒に暮らしている母が鬱状態となり、酒に溺れていた。
なのに親友のヴィアの家はいつも暖かかった。
それが羨ましかった

家に居たくなくて参加したサマーキャンプ。
ミランダはそこで自分とは違う人間を演じる事にした。
暖かい家庭があり、犬を飼っている。
両親は優しく、可愛い弟がいる。
弟には疾患があり、面白い顔をしている。
そんな設定で別人を演じると、皆がミランダの弟の事に興味を示した。
そうしてキャンプが終わる頃には、ミランダは1番の人気者になっていた。

そんな事をしてしまったから、ヴィアとは話辛くなってしまった。
キャンプの後、何度もメールをもらったものの、親の事も話したくないし、キャンプでの事も話せない。
だから連絡出来ずにいるうちに、もう元に戻れなくなってしまったのだ。
本当は大好きなのに。
本当は寂しいのに。

もう一度友達に

オギーには新しい友人が出来ていた。
サマーと言う女の子だ。
サマーは優しい女の子で、ジャックと彼の事を気にしてくれていて、何があったの?と話を聞いてもくれた。

絶対誰にも言わないで」と言う条件付きで、ジャックとの仲違いの理由を教えてもらったサマー。
だからジャックから「どうして避けられるようになったか分からない。オギーから何か聞いていない?」と尋ねられても、サマーは教えなかった。
けれど二人の仲を案じてもいたから「ゴーストフェイス。これしか教えられない」と、ヒントとなる事だけは教えたのだ。

そしてジャックはサマーのそのヒントで気づいたのだ。
あの日自分が口にした言葉、それをオギーが聞いていた事に。

それを知った日、ジャックは理科の研究発表でオギーと組む事になった。
ジュリアンに誘われたのだが、それを断り、オギーと組む事にしたのだ。
しかしジュリアンは面白くない。
ジャックが自分ではなくオギーを選んだ事が。
だからジャックの前でオギーを馬鹿にしたのだ。

以前はそんなジュリアンの言葉にのり、酷い事を言ってしまったジャックだったが、今回は違った。
ジュリアンの言葉に腹を立て、殴りかかったのだ。
友人であるオギーの名誉を守りたくて

学校内で起こった騒動。
当然オギーもその場に居て、ケンカの原因を察してもいた。
だからオンラインゲームのチャットでジャックと話し、「本当に君が僕だったら自殺するの?」と思い切って尋ねると「ジュリアンみたいだったら自殺する」と返された。
そうして二人は分かり合い、再び友達となったのだ。
ジュリアンを理科の研究発表で見返してやろう!と言う誓いと共に。

ミランダの代役

オギーが再び友情を取り戻した頃、ヴィアとミランダの関係にも変化が訪れようとしていた。

ミランダに冷たくされ落ち込んだヴィアに声を掛けてくれたジャスティン。
そんな彼に興味を持ったヴィアは、ジャスティンと共に演劇に参加。
初めての経験に戸惑いながらも、ジャスティンの勧めで主役のオーディションを受けた。

結果はミランダが主役となり、彼女はその代役に決まった。
それでも主役はジャスティンの相手役なので、二人で練習する為に必死にセリフを覚えた。
その甲斐あって、代役ながらセリフは完璧に頭に入っていたのだ。

演劇の事は両親に話していなかった。
今までいつもオギーが中心だった両親は、滅多にヴィアに興味を示さない。
けれどそれはヴィアを愛して居ないのではなく、オギーの事が大変でヴィアへと目を配る余裕がないだけ
そしてヴィアもそれを理解していた。

けれど今回の演劇の事を知ってしまった両親は観に来ると言うのだ。
代役なんだから、観に来ても意味がないと断る彼女だったが、ジャスティンの応援に行くと言って聞かない。
そんな両親と一度は喧嘩をしたものの、本音は観に来て欲しかった彼女の願いは叶い、当日客席には両親と弟の姿が。

ジャスティンとの会話で、ヴィアの家族が観に来ていると知ったミランダは、演劇の担当の先生に嘘をついた。
仮病を使ったのだ。
だから舞台に立つのは無理です。
ヴィアがセリフを全部覚えてるので、彼女に代わって欲しい
…と。

訳が分からないまま、ミランダに具合が悪いからかわってと頼まれたヴィア。
最初こそ焦っていたが、ミランダに押し出されて舞台に立ったら堂々としたものだ。
見事に主役を演じ上げ、素晴らしい舞台を作り上げた。

そんな彼女の姿に、両親もオギーも感動し、この件をきっかけにミランダとの仲も復活したのだ。

変えるべきは…

オギーがジャックと進めた理解の研究はカメラだ。
大きなカメラを段ボールで作り、中には人が入れるようにした。
人が入った状態で、外側からレンズを絞ると、箱の中の人はカメラの仕組みを内側から見ることが出来るようになっていた。

研究発表当日、二人の作品は一番人気。
体験したみんなが、面白いと喜んでいた。
そんな高評価は生徒からだけではない。
当然教師からも高い評価を得て、二人の作品は最優秀賞に選ばれたのだ。

今回のオギーの活躍と、持ち前の明るさも手伝い、彼は瞬く間に人気者となった。
入学当初は一人ぼっちで食べていたランチも、今では多くの友達に囲まれて食べるようになった。
しかも彼の席はいつも笑い声が絶えない程盛り上がっていた。

しかしそんなオギーの活躍に不満を持つ者もいた。
ジュリアンだ。
金持ちの家に生まれたジュリアンは、いつもみんなに注目されていたのに。
気づくと自分が馬鹿にしていたオギーにその地位を奪われたのだ。
悔しくて堪らなかったのだろう。
そんな気持ちから、ジュリアンはオギーへの嫌がらせを始めた。

机の中やロッカーに彼の悪口を書いたメモを入れた。
時には直接机の上に乗せる事もあった。
どれも彼の顔の傷を揶揄するものばかりだ。

それでもオギーは弱音を吐かなかった。
先生に告げ口をする事もなく、ただ静かに耐えていたのだ。

けれどある日彼のロッカーに写真が貼られた。
それは以前クラス全員で撮った集合写真。
そこにはオギーも参加していたのだが、画像編集でオギーの姿だけが消され、「化け物は入学禁止」との落書きが。
さらに写真の裏には「みんなの為に死んでくれ」とまで書かれていた。

流石にこれはやりすぎだ。
すぐに先生が気づき、ジュリアンの取り巻きの一人が問いただされ、ジュリアンはいじめの首謀者として両親と共に校長室へとよばれていた。

彼の家は金持ちで、この学校にも多額の寄付をしていた。
その事を盾に、両親は息子の停学を阻止しようとしたが、校長はそんな圧力には屈しなかった。
そうして自分たちの思い通りにならない事に腹を立てた母親が、ジュリアンを転校させる事を決めた。

けれどそれは両親のみの意思。
そこにジュリアンの思いは反映されない。
ジュリアン自身は「オギーは顔を変える事は出来ない。変えるべきは、私たちの彼を見る目なのです」との校長の言葉が響いたのだろう。
怒った両親がそそくさと校長室を出る中、彼だけが立ち止まり、最後に校長にお詫びの言葉を残したのだ。

そうして学年最後で最大のイベント、校外学習からジュリアンは他校の生徒となり、その姿を見る事は無くなった。

涙のハイタッチ

泊まりがけの校外学習は大変盛り上がった。
自然豊かな山奥の湖で、友達とボートにも乗った。
大勢の友人に囲まれ、笑いの絶えない時間だった。

そうして迎えた映画鑑賞の時間。
オギーはジャックに誘われ、こっそりと映画鑑賞の会場を抜け出した。
二人で森を歩き、勝手に抜け出すというちょっとした悪事を楽しんでいると、そこに7年生と思われる体の大きな生徒が三人現れたのだ。

振り返ったオギーに、女子生徒は悲鳴を上げ、残り二人の男子生徒は大笑い。
そうして化け物だと、帰れと馬鹿にするのだ。
そんな意地悪は学校でも経験してきた。
それでもオギーにとって、それは辛い事だった。

けれどもうオギーは一人ではない。
友達がいるのだ。
そして隣にいる一番頼もしい友達は、親友を馬鹿にされた事に激怒してくれた。
馬鹿にするな!」と自分より大きな生徒に立ち向かってくれたのだ。

しかし相手は年上だ。
あっさり突き飛ばされ、倒れたジャックは石に頭を打ち付けてしまった。
立ち上がれないジャックを笑う上級生は、それだけでは飽き足らず、さらに暴力を振るおうとした。
だからオギーが立ち上がった。
自分がいじめられているときには、ただ耐えていた彼が、友達のピンチに勇気を出した。
ジャックに手を出すな」と、ジャックよりもさらに小さい体で立ちはだかった。

するとそんな勇敢なオギーの元に、助っ人が現れた。
ジュリアンの取り巻きだった三人が、彼らを上級生がつけて出ていたのを見て、心配して来てくれたのだ。
三人の協力により、反撃を開始。
7年生たちの隙を突いて全員で湖まで無事逃げる事が出来たのだ。

助けられた事に感謝したジャックは、彼ら三人とハイタッチを交わした。
ペスト菌扱いされていたオギーは、手を差し出す事なくお礼だけ告げた。
しかし三人の中の一人が、「さっきはカッコ良かったぜ」と、彼にハイタッチを求めて来たのだ。

驚いたオギーはハイタッチを返すと感極まって一人彼らに背を向け湖の側へ。
泣き出しそうな彼を、残りの二人が追いかけ肩を抱いてくれた。

もうあの頃とは違う。
学校のみんながオギーを認め、同じ仲間だと思ってくれている。
誰も彼をペスト菌扱いなんてしない。

ワンダー(奇跡)

校外学習が終わると、五年生の修了式だ。
五年生として初めて学校に通った頃は、辛い事ばかりだった。
けれど今は一変して、友達に囲まれ楽しい日々を送れるまでに。
目まぐるしい一年がついに終わろうとしていた。

家族みんなで参加した終業式の席で、オギーは隣に座る母に「ありがとう」と伝えた。
学校に入学させてくれた事に、今は感謝の気持ちでいっぱいなのだ。
あの時母が決断してくれなかったら、彼はジャック達と友達になる事はなかっただろう。

終業式では、毎年福祉などに積極的に貢献した生徒が、一人選ばれて表彰される。
今年はその賞の解釈を少し変えたのだと、校長は話してくれた。
貢献すると言う事は、何かをする事だけでなく、その人が存在することで、周りに良い影響を与える事でもあると。
今回表彰される生徒は、静かな強さで沢山の生徒を変えたそうだ。

そうして生徒の名前が発表された。
表彰されたのはオギー。
彼が来た事でみんなが変わった。
校長があの日ジュリアンに言ったように、みんなの見る目を彼の存在が、彼の努力が変えていったのだ。

そして彼の名前が呼ばれた瞬間、全生徒が喜んだ。
まるで自分の事のように。
誰もが思ったのだろう。
オギーはこの賞に相応しい最優秀生徒だと。

太陽のようにみんなの中心で、影響を与える力を持つオギー。
彼は彼の母が言うように「ワンダー(奇跡)」のような少年だ。
けれどその太陽も、家族や友達に支えられてここまで来た。
いつも支えてくれた姉、いつも笑わせてくれた父、そしてどんな時も絶対に彼のことを諦めず信じ続けてくれた母がいたからだ。

そんな彼を取り囲む人たちへの感謝の気持ちと共に、彼は壇上で賞を授与された。
もうそこには俯いてばかりの彼はいない。
堂々と前を見て、誇らしげに微笑む姿がそこにはあった。

感想

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   ⇒「ワンダー 君は太陽」感想

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